米粉のプロフェッショナルたち

100年以上の長きにわたり関西を中心に米粉製粉を支え続け、米粉製粉一筋にひたむきに向き合ってきた
片山製粉株式会社 片山 賢一社長

100年以上の長きにわたり関西を中心に米粉製粉を支え続ける製粉会社が大阪八尾にある。

そんな戦前から米粉製粉一筋にひたむきに向き合ってきた片山製粉株式会社の4代目代表取締役片山賢一氏に話を聞いてみた。

片山製粉㈱は戦前、大阪大国町で創業し、当初は米粉製粉の大半は和菓子用のものが主体であったが、時代と共に変化していき、製菓用などの米粉も作るようになり、特に近年では米粉を使ったパンや製菓を扱う人が増えてきたのに伴い、製粉依頼される事もあり、シェア全体に占める割合が近年では和菓子以外の用途製菓用やパン用、又は面麺用などの米粉を製粉する機会も増えてきたと話す。

戦前から米粉製粉一筋でやってきたが以前は、他にも製粉する会社も大阪や関西に数多く存在していたが、その数も年々減っていき今では関西の殆どの米粉製粉を同社が担っている。

長きにわたり、続けてきたのにはそれなりに紆余曲折があったのだろうと思い今まで継続できた秘訣聞くと、米粉協会など周りの多くの方に支えられ環境に恵まれたからと偉ぶることなく話し、『餅は餅屋。これしか能がないから』と笑いながら謙虚に答えていたのが印象的だった。

取引先や人間関係を大切にし、米粉製粉一筋に取り組んできたと話す。

製粉状態を確認する片山社長

よく石の上にも3年というが、石の上にも100年を地でいくのが片山製粉に脈々と受け継がれてきた遺伝子なのだろう。

一つの事をやり続け、職人の技術や知識が代々受け継がれてきたからこそ、『やっぱり片山製粉の米粉が安定して扱いやすくて良い』と信頼され、今日の片山製粉があるのだろう。

近年の米粉ブームもあり、パンやお菓子など色々な商品が出てきた中で『自分で体験しないことには色々な事にも答えられない』と社長自ら米粉パンや米粉のお菓子などを日々作りながら研究を行っている。

そしてそんな中で知り合った米粉関係者の人達と自ら体験した米粉パンや米粉のお菓子作りについて、情報交換を交えて色々と人と話す時がとても楽しいという。

米粉商品でお気に入りを聞いたところ最近のお気に入りは『米粉のチュロス』で、中でも一番のお気に入りは自身でもよく作る事がある『米粉のシフォンケーキ』だそうだ。

米粉のシフォンケーキはフワフワで抜群に美味しいと笑みを浮かべる。

【さぬきごえ】を食べる片山社長

そんな米粉のシフォンケーキをこよなく愛する片山社長に『さぬきごえ』について聞いてみた。

米粉のパンやケーキは色々あるのに米粉のうどんに関してはなかなか見る機会がないなと思っていて、あったとしても『良くも悪くも、あ~、米粉のうどんやなあ』と分かるものばかりだったが、『さぬきごえ』に関しては、小麦のうどんに比べてなんの遜色なく、出汁も美味しいので言われなければ米粉のうどんと全く気付かずに普通に小麦の美味しいうどんの感覚で食べてしまう。と話していた。


100年間もの長きにわたり関西の米粉を支えてきた米粉製粉一筋の片山製粉はその技術や経験が受け継がれ、次の100年も関西のみならず日本の米粉製粉を支え続ける事だろう。

【プロフィール】
名前 片山 賢一
1973年生まれ
大学卒業後大手米穀会社に勤務
1998年 家業である現在の会社に入社
2019年 片山製粉株式会社 代表取締役に就任
仕事に対しては真面目さが信条

片山賢一社長画像

さぬきごえを笑顔で食べる子どもたち

さぬきごえを笑顔で食べる子どもたち